名曲の中に、上昇や下降するスケールが完全な形で出てくることは、まれです。
ベートーヴェンのピアノコンチェルト3番の冒頭や、
ショパンのプレリュード 変ロ短調Op.28 No.16では、
46小節のほとんどに、
完全か、
完全に近い形のスケールが
でてきます。
しかし、全体的にはスケールの一部分を弾くことになるわけですから、
スケールを音毎にか、
拍子毎に分けることは 大切な練習になります。
また、その方法で、各調のフィンガリングを使って、
スケールを 1度ずつずらしていくこともできます。
あるいは このほかに、
スケールを、リズムやダイナミックスを変えてひくという練習もあります。
つまり、
・弱くレッジェーロでとか、 ・強く、コン・ブリオで。
・フォルテで始めて 弱くしていく
・ピアノで始めて強くする。。。
などなどです~(*´▽`*)。
こうしたスケールの取り組みには、2つの意味があります。
まず、生徒は勉強するうち、曲のなかのパッセージにぶつかるものですし、
そういう難しいパッセージを お手本をみながら練習し、
そのとおりにマスターしなければならないのです。
スケールをひくことで、
それ自体を 目的とした型に はまった練習は価値のないもので、
むしろ 生徒の集中力や、聴く力を鈍らせる結果になるものだと
私(筆者)は思います。
それより、レパートリーを 幅広くしたり、
習っている曲のなかに、でてくる速いパッセージに
「分割」練習を取り入れたりするほうが、 よほど効果があります。
こういうパッセージは、
ゆっくりしたメロディを速くひいたものと考えるとよいでしょう。
そのためには・・・・
速いパッセージをゆっくり歌わせて
ひとつひとつの音を、
よく聴くよう指導しています。
(ジョセフ・レヴィーンと 同じことおっしゃってますなぁ。ハイ、ひとりごとです、笑)
アルペジオや分散和音についても、おなじことが応用できます★
ここでのコツは、
あまりたくさんの音を、まえもって、準備しようとしないことです!!
手首をやわらかく、横に自由に動けるようにして、
音を均等にすることを目標におかなければなりません。
親指の音を静かにおさえ、
その上か下か どちらかのもう一つの音を 正しい指使いで強く弾きます。
ここでもやはり、
肘をカラダの側(横)につけることによって、親指が手のひらの下に入るたびに、
腕がグイと横につきださないようにします。
チェルニーの練習曲には、この問題の解決に役立つものがかなりあります。
上級の生徒であれば、ショパンの練習曲Op.10 No.1が最適でしょう。
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